静かな街の一角にひっそりと佇む「卜澤月乃探偵事務所」。この事務所を一人で切り盛りする探偵、卜澤月乃（うらさわつきの）は、一見普通の女性。しかし彼女の心の中には、6人の異なる人格が存在しており、それぞれが特殊な能力を持っている。月乃はこの能力を駆使し、複雑な事件を次々と解決していく。

ある日、月乃のもとに九十九祥子（つくもしょうこ）という女性が訪れる。祥子は涙ながらに、婚約者である平松由紀夫（ひらまつゆきお）が突然行方不明になったことを訴える。彼は不動産業者として働いており、二人で新居を探していた矢先、契約直後から音信不通になってしまったという。祥子は必死に彼を探すため、月乃に調査を依頼する。

月乃はさっそく調査を開始するが、捜査が進むにつれ、平松由紀夫の裏の顔が明らかになっていく。彼は実は結婚詐欺師で、これまで多くの女性を騙して不動産を購入させ、その後姿を消していたことが判明する。そして、彼が行方不明になってから1ヶ月後、ついに遺体で発見される。

事件は単なる結婚詐欺にとどまらない複雑なものであり、平松の死には他の犯行グループの関与が疑われる。月乃は、6人の人格の力を駆使し、巧妙に隠された真実を一つ一つ暴いていく。事件の鍵を握るのは、平松が騙してきた被害者たちの証言と、彼の隠された過去。

物語が進むにつれ、月乃の人格たちが次第に衝突し始める。それぞれの思惑が交錯する中で、真実にたどり着くためには、月乃自身が自分の心と向き合い、人格たちを統合する必要がある。果たして、月乃はこの難解なパズルを解き明かし、真実を手に入れることができるのか？